瓦の種類と比較

屋根瓦の種類と比較

屋根瓦の種類と比較

私たちが住んでいる住宅の屋根に乗っている瓦は、住宅を風雨、日光、太陽熱から守るといった重要な役割を果たしています。家の寿命は、屋根と基礎で 決まるとも言われます。そんな大切な屋根に使われる瓦にもいろいろな種類と特徴があります。 ここでは、これから家を建てられる方、屋根のリフォームをお考えの方のために、簡単に主な屋根材の紹介をさせて頂きます。

粘土瓦(陶器瓦、いぶし瓦)

粘土瓦とは、粘土(岩石が風化してできた粘性のある土。)を瓦の形状に圧縮成形して乾燥後に1,000~1,250℃程度の高温度で焼成して得ら れる建築資材です。現在の粘土瓦には主に陶器(釉薬)瓦といぶし瓦があります。 また、粘土瓦の三大産地として、三州瓦(愛知県)、石州瓦(島根県)、あわじ瓦(兵庫県)があります。

陶器瓦

陶器瓦

陶器瓦を釉薬瓦ともいい、粘土瓦の一種です。粘土を瓦の形にかたどったものの上に釉薬(うわ薬)をかけて、窯の中に入れて高温で焼き上げた瓦のことをさします。弊社製品もこの陶器瓦になります。

瓦表面の釉薬がガラス質になっているため、水が浸透せず、長い年月を経ても美しい状態を保て、メンテナンスの必要がありません。形は様々で、J形(和形)、F形(平板)、S形等があり、家の形状に合わせて使い分けられます。

また、釉薬を替えることにより、色やツヤの出し方を変えることも出来ます。(弊社では、50色以上の色瓦の製造に成功しています。) ただ、粘土と釉薬の収縮率の違いから生まれる自然現象(貫入)が起きますが、品質には問題ありません。

いぶし瓦

いぶし瓦

陶器瓦と同様粘土瓦の一種ですが、陶器瓦と焼成方法(焼き方)が違い、粘土を瓦の形にかたどったあと、何もかけずに窯の中に入れて焼き、そのあと“むし焼き”(燻化工程)にして瓦の表面に炭素膜を形成させ、瓦全体(裏も表も)が渋い銀色をした瓦ができあがります。

陶器瓦と同様形は様々で、J形、F形、S形等があり、特にJ形が多く本葺き瓦(J形の前身)も多く使われています。 日本建築のお城や社寺の屋根に多く使われ、深い味わいを醸し出しています。

ただ、表面の炭素膜が年月の経過と共に剥がれ落ち、変色していきます。また、水が浸透しやすく塩分を含んだ水(海水等)による塩害、寒さによる凍害等が起きることがあります。

セメント瓦

セメント瓦

厚型スレートまたは、コンクリート瓦とも言われ、その名の通りセメントと砂を主原料としたもので、表面処理(塗装)をして使われます。

以前は和形の生産が多かったのですが、いまは洋形(F形やS形等)が増えています。 塗料で着色するので、どんな色にもすることが出来、家の形や壁の色に合わせて変えることが出来ます。

ただ、経年により変色、脱色がおき、数年ごとにメンテ ナンス(塗装)が必要となります。

※こまめに塗装しないと、セメント瓦自体の劣化が早くなってしまいます。

スレート

スレート

天然のスレートと人造のスレートがあり、一般には人造のスレートが普及しています。 人造のスレートは、セメントと繊維性のものを主原料としたもので、セメント瓦同様表面処理(塗装)をしてあるものを使います。

以前は繊維性のものとして、アスベスト(石綿)を原料としていたものが多かったのですが、近年は、環境・保険問題等によって無石綿化になっています。

陶器瓦やいぶし瓦と比べ、重量が軽いことから、プレハブ住宅に多く採用されていますが、平たいスレートの場合、屋根地(木材)部分の通気性が悪く、木材の腐食や劣化をまねくことがあります。

またセメント瓦のようにメンテナンス(塗装)が必要となります。

その他の屋根材

天然のスレートと人造のスレートがあり、一般には人造のスレートが普及しています。 人造のスレートは、セメントと繊維性のものを主原料としたもので、セメント瓦同様表面処理(塗装)をしてあるものを使います。以前は繊維性のものとして、アスベスト(石綿)を原料としていたものが多かったのですが、近年は、環境・保険問題等によって無石綿化になっています。

陶器瓦やいぶし瓦と比べ、重量が軽いことから、プレハブ住宅に多く採用されていますが、平たいスレートの場合、屋根地(木材)部分の通気性が悪く、木材の腐食や劣化をまねくことがあります。

またセメント瓦のようにメンテナンス(塗装)が必要となります。

屋根材別メリットでメリット一覧

屋根材名メリットデメリット
  • 高級感が出る(特にいぶし瓦)
  • デザイン性に優れる(特に洋瓦)
  • 燃えにくい(耐火性に優れている)
  • 防水性に優れている
  • 遮音性に優れている
  • 他より比較的高価
  • 重い(耐震性に劣っている)
  • 衝撃により割れる恐れがある
スレート
  • 安価
  • 軽い(耐震性に優れている)
  • カラーが豊富
  • 裁断しやすい(施工性に優れている)
  • 耐久性に優れている
  • 比較的安さを感じる
  • 防水性に劣っている
金属
  • 種類によるが比較的安価
  • 軽い(耐震性に優れている)
  • 経年劣化が少ない
  • 燃えにくい(耐火性に優れる)
  • 防水性に優れている
  • 加工しやすい(屋根の形状に合わせやすい)
  • 雨音が気になる(遮音性に劣っている)
  • 熱が伝わりやすい(耐熱性に劣っている)
  • 塩害による腐食が早まる